良いパスと悪いパスの基準〜前編

今回は質問があったのでそれに対する回答を記事にさせて貰います。
タイトルの通り、「良いパスと悪いパス」についてです!

質問者(以下Aさん「今日のパス回し良くできた思うねんけどどーやったー!?」
チームメイト「うーん…」
A「あれーΣ(゚д゚lll)」

どうやら自分の出来と周りの評価にギャップがある様子。
まずAさんに自分が思う良いパスって何か聞いてみました。
「テンポが遅くない、周りが見えてる、タイミングよくスペースに出せてる、動かすパス…」
いっぱい出てきました。

そして次にチームメイトにどんなパスが良いか聞いてみました。
「アシストパス、取りやすいパス、DFに取られないパス、欲しい時にくれる…」
パッサーとレシーバーで認識の違いがありました。

どちらも「それも良いけどこれが一番大事」ってポイントが違うので評価の基準が違う。
これ、チームで放置してたら結構まずいんですよね。
目指してる方向が少し違うと、努力が最大限活かせなくなるので。


例えばPGとシューターの間に、シューターは
「貰ってからすぐシュート打てるように手元にボールが欲しい、タイミングは遅すぎなければ良いからDFが多少追いついてきても手元にフィットするパスが欲しい!」

と思ってるのに対してPGが
「シューターにフリーで打たせたい。だからDFが追いつかないように速いパスを出そう!(出す高さは顔から腰まで毎回バラバラ、というかこだわってない)」

…コレ、どちらも頑張ってるのにバストパフォーマンスは生まれにくいですよね、目指してる所が微妙に違うので。


なので、パスの正確性や必要な時は速いパス、長いパスが出せたりと言うのは勿論出来れば出来るほどチャンスが増えるので大切です。

ただ、それよりも大事なのは「共通認識」を持った上でパスを「選択する事」
コレが一番大事だと思います。

共通認識…先程の例に挙げた相手が求めるものや、チームでここにパスを落としたいと言う場所、フォーメーションの流れでここにパスを入れたいと言うタイミングなど。

パッサーとレシーバー、チーム全員がお互いに理解しているべきパスの基準。



コレが無いと、例えば自分はDFの隙間を縫うバウンドパスを出したと思っても、相手はカッティングしてて視線がDFの背中に重なってて反応出来なかったり…

ドライブしてヘルプを引き寄せて合わせのパスをしたからDFが間に合わない所に投げれた、と思っても相手からしたら高すぎて次の動きに繋ぐのが遅れて結局シュートまでいけなかったり…

自分が凄いと思うプレーでも、チームメイトを置き去りにしてはイージーシュートには繋がりづらいです。
「お互いが何が良いか悪いか分かってる」

「お互いがより良いプレイを狙い、良いプレイの優先順位を知っている」事が大切になって来ます。



選択する…そのパスを何の為に出すのか、パスを出せばどういう効果があるのかをその場考えるor事前に把握している上でパスを出す。

空いているからとか、プレッシャーがきついから助けを求めるような投げやりなパスではなく、自分が目的意識を持ったプレイを選択する。


全てのプレイに目的意識を持て by Steve Kerr(スティーブカー、ゴールデンステートウォーリアーズの監督)

世界一のチームが大切にしている事。

僕が一番こだわっている事です、目的意識。

そしてチョイス(選択)


当たり前の話ですが、何も考えず勝てる相手って自分より能力が低い相手だけですよね?

身長が自分の方が高いから特に何も考えずシュート打ててリバウンド取れていたり、自分のが速いから抜けたり速攻でフリーでシュート出来たり。

自分と同等以上の相手に勝とうと思うと少なからず頭を使うはずです。

そこをどれだけ突き詰めれるかで、何段階能力が高い相手に勝てるか変わると僕は強く思います。


パスのチョイスだとパスの出し方、出す前、何ならパスする前のミートやドリブルからどうするか考えておく。

残り時間や得点差、試合の状況を考えてフリーだけど出さない、フリーじゃなくても無理やり通すという考えも必要かもしれません。



そのパス一つに、体の向きに、視線に、どれだけ意味を目的を持ってプレイしているか。

選手の位置、試合の流れ、パスを出した後の状況、どれだけの情報を取捨選択しながらプレイを選択しているか。


この二つを突き詰めることが、結果的に良いパスが増えることに繋がります。

たまたま空いてたから出したらナイスパスなった!とかも勿論あるのですが、「自分も相手も良いプレイ、目指すプレイが分かっている」状態で「試合の様々な状況の中でより良い選択肢を選べる」事が、ナイスパスに、1本のアシストパスだけではない試合を通じての良いパス回しに繋がると思います。



後編ではじゃあ具体的にどんな基準があるのか、どんな選択肢があるのかを解説していきたいと思います!


一例としてこの前のKONBASピックアップゲームにて戦術も何もない中で起きたこのパス。


ここで僕が何を考えたのか、なぜそのパスを選んだのかを解説するので是非みなさんも考えてみてください(ここ下手だからもっとこうした方がいいとかも随時お待ちしてます笑)

BASKETBALL SKILL COACH - NOMUTAKU

神戸を中心にバスケットボールのスキルアップコーチを行っています。シュート、ドリブル、パスなどの基礎技術から、試合で起こりうるシチュエーションを想定したドリル、あなたのプレイの弱点を克服する自主トレメニューなどを提供しています。コーチングのご依頼や、個別トレーニングのご依頼は nomura23@konbas.jp まで。 疲労を軽減させるストレッチ方法もご紹介します。