良いパス悪いパスの基準〜後編

前回の記事で良いパスとは「共通認識」と「選択する」ことが大切とお伝えしました。

では実際に僕が考えている基準を整理していきたいと思います!


まずパスを出すタイミング。

フリーの味方に出すのが良いのは当たり前ですが、その中にも優先順位をつけてます。

① イージーシュートを打てるタイミング

② 味方の得意エリアでフリーになっている時

③ 2パスでフリーになる時

④ 1対0.5の時



これがまず「既にフリーorズレが生まれている時の優先順位」です。

それぞれ例をあげると

① のイージーシュートは速攻やカッティングレイアップ、ヘルプDFがいないゴール下などですね。

一番狙っていきたいパスです。


その次に② シューター”一番得意なエリア”ならがフリーになれば躊躇わず出します。

多少得点力がないチームメイトでも、その人の一番得意なエリアなら出します、じゃないと最高の位置に動いたのにボールくれないなら自分は動かなくていいや、とオフェンスへの参加意欲が下がるので笑

チーム的にもシュート力がないからと全くシュートを打たなければ、その選手のDFは警戒しなくていいのでヘルプにいきやすくなります。

自分がコントロールするなら、全選手1ピリで1本は打たせますね。


③ の2パスというのは、自分の今の位置や角度からではアシストは生まれないけど、中継すればフリーの人に出せる場面。

ウィングがディナイされてるから、ハイポストに入れて、ハイポストの人がカットしてきたウィングにパスを入れるなど。(バックドアと言います』)

これを狙おうとするとパッサーとレシーバー以外のチームメイトにも「共通認識」が必要になってきます!


④ ゾーンディフェンスが自分の方に寄っている時に逆サイドに振ったり(サイドチェンジ)、ハイポストで貰った時にセンターのDFがこっちに出てきたのでその瞬間にゴール下に入れたり(ハイロー)。

パスを入れた後にDFが反応するけど、有利なシチュエーションになるなら入れます。

シューターならシュートフェイクすればドライブに行けますし、インサイドならバスカンを狙うチャンスなので!



ここまではもう自分たちのアドバンテージ(有利、僕はアドがあるって言ってます)ができている場面。

パッサーに能力がなくてもDFプレッシャーがなければ探すことができます。


では、前回最後に載っけた単純なピック&ロールからのワンシーンを例にあげて解説します。

まず最初、ピックが来てる時点で①イージーシュートを打てる人はいません。

逆サイドにDFがごちゃごちゃしていて②フリーのシュートを打てる人もいない。

③、④も同じく。

なので自分から崩すことにしました。

ピックがかかった場面で(ピックが来てる時には)自分以外のコート上の9人の位置を把握するのが理想です。

プレッシャーがない場面だったのでゆっくり周りを見てからドリブルしましたが、この時点でDFがどう動くか、動いたらシュートorパスorドリブルを続けるのかをシュミレートしておきます。


1ドリブルついた時もう自分のマークマンはスクリーンにかかっているのでここは「気にしません」

それ以外の4人の位置を見ます。


スクリナーのDF(黄3)が自分に寄りました(右足が出た)この時スクリナーへのパスが候補になりました、①イージーシュートを狙えるからです。

ただ、遅れているのでそのままレイアップも狙えます。

どちらも同じ位有利な状況のままなので、ドリブルを継続します。

パスを出せると思ってドリブルを止めてやっぱり無理でした、となると一気にピンチなので、自分も味方も同じ位チャンスがありドリブルをついているなら自分が攻めた方が良いですね。


次、2個目のドリブルをした場面、7番のDFがこちらにヘルプに来ようとしてます。

レイアップに行けないこともないが、完全にフリーではないのでスクリナーへのパスの方が優先順位が高くなりました。

その時奥の6番のDFが反応していないので完全にパスをしようと決めました。(見て確認というよりかは、全体を見ながらあそこら辺動いてないのでイケるな、という感覚です)

これはスキルですが、ドリブルを継続している左手でもパスを出せるのですが、7番にカットされるリスクがあるので右手に持ち替えて出しました。

その時3番が追いついてプレッシャーをかけて来たので(腕をあげた)確実に下をバウンドパスで通します。

やってる事はドリブルをキャッチして逆手でパス。


難しい事ではないので、しっかりピックを使ってフリー(余裕がある状態)で、出す所をしっかり見て判断出来ていれば簡単にイージーシュートに持ち込めますね。



因みにこのプレイをしてる間に②が生まれてるのも視界には入れてます。

動画の最後の方にウィングにいたシューターの選手がトップに上がってきました。

6番か7番がヘルプで下がってスクリーナーをケアしたら、自分で打つか止まって後ろにパス→3pまでは候補に入れてますが、2ドリの時点で確実に通ると思ったのでストップせず出しました。


以上がこの2〜3秒で僕が考えていた事です!




今回は自分がプレーを作れる時
・自分にプレッシャーがない
・DFよりスキルがある

既にアシストを狙える状況の時何を優先して狙うかをお話ししました
・イージーシュート
・得意なエリアでフリーのシュート
・2パスでフリーのシュートまで行ける時中継に
・シュートは打てないけどアドバンテージが取れる時

大前提として、自分がイージーシュートを狙えるのなら基本自分が攻めます。
一番手っ取り早いですし、自分が目立ってよりヘルプが寄るようになればそれだけ周りが楽にプレイできる訳ですから。



実際にフリーの味方にパスする為のスキルは
・パスの能力…正確性、種類、速度、飛距離、
・パスを出す為のスキル…キャッチ、ピポット、ミート、ドリブル、キャッチ
・パスの前のスキル…ドライブ、シュートフェイク、カッティング、1on1、リバウンドからスムースに出すボールハンドル

などが問われるでしょう。
これに加えて
・フリーを作るスキル
・フリーを見つける視野、判断力、知識
・自分がフリーになるスキル
・これらをDFに負けずに発揮する強さ、巧さ、速さ

が必要になり、その先に
・フリーじゃなくてもアシストするスキル
・どこにもパスが出せない時に自分で展開するスキル
という発展系もありますね。


パスもシュートや他のスキルと同じく、極めようとすればするほど果ては無いですが、まず自分の原則、どんなパスが良いんだろうというイメージだけは持ち、膨らませ続けていきましょう!

最後に僕が好きなパス動画、チーム全体が基準を理解しその通りに動くとどうなるのか、と言う理想を置いておきます。

BASKETBALL SKILL COACH - NOMUTAKU

神戸を中心にバスケットボールのスキルアップコーチを行っています。シュート、ドリブル、パスなどの基礎技術から、試合で起こりうるシチュエーションを想定したドリル、あなたのプレイの弱点を克服する自主トレメニューなどを提供しています。コーチングのご依頼や、個別トレーニングのご依頼は nomura23@konbas.jp まで。 疲労を軽減させるストレッチ方法もご紹介します。